幸せあれ

「夏実~、しっかり復習したよな?」

ほら、
こうやって意地悪してくるんだ

「…もちろん?」

するわけないじゃん

うち、部活で忙しいの!

「この問題わかるよな?」
はぁ?


そんな記号ならったっけ?


忘れたし…


「…3x」

適当に言ってみた


「お前、中1の復習したんじゃね?全然ちげーよ」


もっと
ゆっくり考えれば分かるし


「…10」
佐東が正面を向いて
吐いた
「え?」

「答え…10だよ」
って教えてくれた


「先生!わかった…。10でしょ?」


そのおかげで


「正解だ…。ちゃんと復習したみたいだな」


「ありがと」


そう言うと
まるでイタズラでも
したように

子供っぽく笑った