その日からひかるには笑顔が絶えなかった。患者さんたちの集まる場所でも自然と、溶け込んでいた。

「こいつ、オレの彼女!」

…え。

皆の前でそう言った、ひかる。

恥ずかしくてうつむいた。回りでは、笑い声が絶えない。でも私は信じられなくて、1人黙っていた。

嘘だって…
冗談だって知ってる。

でも、冗談でも、冗談でもいいから、ひかるって呼んでもらいたかった。
彼女だと言われたかった。

叶わぬ夢でも。