~翔~

「冬が好き、そうだろ?」

 って、言われて正直傷ついた。
 
 やっとアンタに対する、
 気持ちに気づいたってのに
 気付かせたアンタにそんなこと
 言われるとは思ってなかった。

「もし、俺が龍人を好きだったら?
 そしたら龍人はどうする?」

「俺は-・・・」

 言いかけた時

『翔ー!恭哉君来てるわよー!!』

「「・・・」」

 沈黙。

「ちょっと待ってて」

 部屋を出てふらふらとおぼつかない足取りでリビングへ。

「母さん、恭哉に謝っといて、熱出た」

「あら、ほんと?」

「うん」

「後で、おかゆ持ってくわ」

「ありがと」

 階段を上り部屋に入る。

「俺、熱出たことにした。
 だから一回帰って」

「今日また来ていいか?」

「・・・メールして。
 部屋にはいれるようにしとく」

 赤外線でメアド交換。

「じゃ、ばれないよーにな」

「おぅ」

 龍人が隣の部屋へ消える。
 と、同時に階段を上ってくる音がした。
 急いでベットにもぐりこむ。

 ガチャ

「はい、おかゆ。
 あと私今日から一週間家を
 空けなくちゃならなくなって・・・」

「大丈夫。これでも高校生だよ?」

「そう?」

「あ、それから、龍人に女だってばれた」