が。

『え!』

小夜は軽蔑するどころか目を大きく見開いて驚きを露わにする。

『反応できなかったって…じゃあ拓斗君は、龍太郎君の攻撃を見てたの?見えてたの?』

「え…」

同情じみた慰めの言葉をかけられてお茶を濁される。

そう考えていた拓斗は、小夜の返答に些か驚く。

「う、うん…龍太郎君がジャブで距離を測ってストレートを打った事も、回し蹴りで一本をとろうとした事も、一応は見てたし見えてたけど…」