天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ

それでも手加減する事なく。

「しゃあっ!」

龍太郎は壁際に追い詰められた拓斗目掛けて、中段回し蹴り!

鞭のように撓る龍太郎の蹴りが、棒立ちの拓斗に襲い掛かる!

当然、拓斗の目には龍太郎の蹴りは見えていない。

蹴りを放ったのは分かっている。

しかし、蹴りの軌道は全く理解できていなかった。

だから当てずっぽうで防御は出来ても、見切って回避する事はできない。

また、見えていないのだから防御が遅れて直撃も有り得る。

己の意思で、というよりは条件反射で。

拓斗は防御の姿勢をとり。