中学の頃、家庭事情や己の弱さを理由に荒れていた龍太郎。

それを止めようとした雛菊に手を上げた事もあるし、警察沙汰になって何度も雛菊を迎えに来させた事もある。

あの当時は、今とはまるで別人のように、雛菊は笑わない少女だった。

今でも思い出す度に、龍太郎が後悔する事柄だ。

最も愛している身内を自らの手で傷つけてしまった、ある意味龍太郎の心の中の十字架…。