「お前は隠してるつもりでも、俺は知ってるぜ?龍太郎、お前が方々で人助けじみた行動してるのをな」

今回の天音の件にしても、パラレル女子との一件にしても、バイオリン妹にわざと負けたふりした一件にしても。

自分がフルボッコだのスペシャルバカだの言われるのを承知の上で、龍太郎は時折人助けじみた行動をとる。

「そりゃあ…俺が偽善者だからだよ」

おどけたように笑う龍太郎。

「偽善者だから、人助けした気になって一人悦に浸ってんのさ。別に善意じゃねぇ、自己満足だよ」