招待されたからには、入らない訳にはいかない。

グッと構えるように、意を決して入室する龍太郎。

…昼間から遮光カーテンで外界との接触を絶っている洋館の中は、夕暮れであるという理由以上に薄暗かった。

掃除は行き届いているようで、埃や蜘蛛の巣がある訳ではないが、どこか冷ややかな印象を受ける。

正面玄関から入って、まず目に付くのは二階へと続く階段。

手摺りにも装飾が施され、床には絨毯が敷かれている。

多くの表現を知らない龍太郎には、『豪華』という言葉しか思い浮かばなかったが。

その階段の途中に。

「…!」

人影があるのを見つけ、龍太郎は思わず体を強張らせる。