「そういえばさぁ…」

雛菊の箸を動かす手が止まった。

「花見の時、ラブリーピンクが現れたよねぇ」

ピタリ。

元気よく食事を口にしていた撫子が固まる。

「ピンク色のフワッフワの縦ロールの髪に、フリッフリのピンクのコスチューム…可愛かったよねぇ、ラブリーピンク」

「そ…そうなんだ…私あの時トイレ行ってたから…」

引き攣った笑みを浮かべながら言う撫子。