昨日と同じように目が覚め、昨日と同じように朝食をとる。昨日と同じように城之内社長からの話しがあり、昨日と同じように、三人揃って車で学校に行く。
昨日と違うのはまず、中里さん。昨日より女子や男子に声を掛けてもらっている。そして中里さん、昨日よりニコニコ笑っている。
次に鈴村さん。昨日よりは女子から話し掛けられていないみたいだけど、陰からの視線が大量。本人は気付いているようで、昨日より鋭い目つきで睨んでいた。
そして、私は―…


「…………」

「あれ、空たん、上靴は?」

「昨日持って帰ったら忘れてきちゃった。」

「えー?うそー!まだ時間あるし、取りに戻る?」

「…教室に体育館シューズがあるから大丈夫よ。」


私の上靴は消え失せ、靴箱はごみ箱化していた。
幸い、鈴村さんと中里さんには見られていない。
…無駄に心配かけちゃうからよかった。これは、私の机も荒れているだろうな…。しかしまあ、やってくれるわね…どうせ鈴村さんか中里さんの追っかけか何かだと思うけど。それより、上靴どうしよう。捜すか買うか…どちらにしろ、鈴村さんと中里さんについた嘘、ばれるよね…。
とっさについてしまった嘘に後悔する。


「中里。山崎さんを頼む。」