確かに鈴村さんは私から見てもかっこいい。身長も高いし、仕事も出来そうな気がする。
けれど、好きにはならない。絶対に。


「…好きにはなりませんよ。それに、友達なら、いますよ。」

「え…?」

「私も中里さんも、きっと愛子さんの友達ですよ。」

「空ちゃん…っ」


愛子さんの目から涙がこぼれ落ちる。
きっと愛子さんは、お嬢様ならではの悩みや苦痛を味わってきたのだろう。話す相手もいなく、唯一頼れるのは鈴村さんで、その鈴村さんは私の下へ行ってしまうし。

私のせいではないにしろ、なんだか愛子さんにすごく悪い気がする。
私が狙われなければ…なんて考えてしまう。
…今まであまり友達はいなかったけど、どうやら私は結構情に弱いらしい。男性に対しての『好き』『嫌い』の概念はいまいちわからないのになぜか愛子さんの気持ちには共感できてしまう。そしてなぜか応援したくなってしまう。

ベッドに横になって考えていると、すぐに隣から寝息が聞こえてきた。

愛子さんも眠りについたようだ。