城之内家のお屋敷はとっても広い。3階建ての外観を白を基調とした大きな家はとてもきれい。内装も整っていて抜かりがない。広々とした庭もきれいな花がたくさん咲いていて、まるで日本じゃないみたい。使用人の人達も真面目そのもので、きちんと自分の仕事を熟している。屋敷の警備は外も中も厳重で24時間カメラが回っている。

屋敷内の自室に戻った私はクローゼットから部屋着と思われる服に着替え、布団の上に寝転がる。

……甘い香りがする…

その香りは柔軟剤や香水の香りではなく、人間の…

愛子さん!(か、ルナちゃん)

今朝起きたら愛子さんとルナちゃんが私の布団で寝てたんだっけ…。
すぐに納得。けどまだ一つ疑問が。
愛子さんとルナちゃんは、どうやってこの部屋に入ったんだろう?
この部屋の鍵は内側からのみかけることができる、すごく古い鍵。寝る前に鍵をかけたから、私の部屋は密室だった。窓はあるけどベランダはなく、このドア以外に出入り口はないはず。
それなのに今朝、愛子さんとルナちゃんは私の隣で眠っていた。

壁に手を掛けてみる。

……忍者屋敷じゃないんだし、壁が回転するわけ、ないか…。