用を足し、自分の部屋に戻る途中まだメイドさんたちは、愛子お嬢様を見付けていないらしく、走り回っていた。

部屋の中に入り、ふと何かを私の耳が察知する。


「………」


誰かが、いる。

この部屋の鍵は、内側からのみかけることができる鍵で私はドアを開けたままトイレへ行った。
メイドさんが私の部屋に入ったのかも?と思ったけれどその考えは一瞬で消えた。
なぜなら誰かは息を殺してこの部屋のどこかに隠れているんだから。
広いこの部屋は物は少ないが隠れるスペースはたくさんある。

例えば…ソファーの裏…とかね。


「キャッ」


ソファーの裏に隠れていたのは、髪の長い女の人。
目が合う。


「!」
「!?」


私と女の人はお互いを見て、目を見開く。
丸で鏡を見ているような…同じ顔。
きっと女の人も私と同じような事を思っているだろう。
数秒…本当は一瞬だったのかもしれないけど、見つめ合った後、女の人が口を開く。


「あなたは…?」