そんな私の心情を読み取ったのか、「ああ、すみません」と言って懐から名刺を取り出した。
…今日一日で名刺、三枚ももらってしまった…
なんて考えながら会釈をし、名刺を受け取る。

『――会社代表 城之内 幸寛』

――会社
日本屈指の大きな会社…もし、この会社が倒産してしまったら日本は絶大なダメージを受けるとが…
そんな会社の社長が私に何の用…?

鈴村さんと城之内社長が何やら話をしている。
どうやらこの後の事は城之内社長が話してくれるらしい。


「私には娘がいる。」


城之内社長が話し始める。
娘…あの小さい女の子の事かな?


「はい、あちらの可愛らしい女の子の事ですね?」


私は女の子に目を向ける。女の子はそんな私を見て ニコッ と微笑んだ。


「いや、この子も私の娘だが、血は繋がっていないんだ。」


城之内社長は気まずそうな、悲しそうな、なんとも言えない表情で言う。
どう反応すればいいのかわからない私は「そうなんですか…」と消えそうな声で言った。

すると城之内社長は懐から今度は一枚の紙を取り出し、私に手渡した。


「愛子っていうんだ。一年前の写真だけど、君の一つ年上だよ。」