「…ちょっと待ってろ」
シェフはそう言うと、近くで鍋を見つめていた男の人に近づいて言った。
「佐野〜!!テメェ、それは弱火で煮込めって言ったじゃねぇか!!耳腐ってんじゃねぇの!?あ!?」
いやぁぁぁ!!前言撤回!!
やっぱり恐い人!!
「相変わらず、料理に関しては厳しいなぁ」
慣れたように言ってる千鶴君だけど、遠くを見つめてたから何かあったに違いない。
「あの?」
ハッとすると、目の前にはさっきの怒られてた人がいた。
「僕はシェフ見習いの佐野拓夢(サノタクム)といいます。よろしくお願いしますね?」
「はい!!よろしくお願いします!!」
蒼空とペコッとお辞儀をすると、佐野さんはニコッと笑って持ち場に戻って行った。
シェフのアシスタント、すっごく大変そうだけど頑張ります!!


