春の記憶

「ため息?
 あず、だよね?」

いきなり名前を呼ばれて
後ろを振り向けば流依がいた。

「流依!」
「よぉ」

流依は軽く手をあげた。

「ため息、ついてたじゃん。
 なんかあった?」

私の隣に来て心配してくれる。

「んー。なんか部活で
 いい記録でなくてさ」

落ち込んでいる私は流依に
すべてを話した。

「そっかぁー。
 なんも知らない俺に言われて
 むかつくかもだけど、
 あずはあずらしく跳べばいいんじゃん?
 もっと、気持ちよくさ」

ニコッと私のほうを見て微笑んだ。
身長が私よりも高い流依の顔。
改めて流依の顔を見れば
本当に柔らかく笑っていて。
優しいんだね。
初めて会った人の相談にのってくれるなんて。
流依と喋って気持ちがなんだか
楽になった気がした。


ありがとう。
初めて流依に感謝した日。