それはお父さんにも同じだ。
「表紙をめくってください」
言われるがまま表紙をめくると、メモ紙が挟んであった。
これはお父さんの字だ。
―今度はあとがきを写さずに―
(ばれてる……)
うまい具合にやってると思ってた。
でも、お父さんは騙せない。
お父さんは、編集の才能がある。
だから今の地位がある。
元々、おじいちゃんの跡継ぎで決まってたみたいけど、誰もが文句なしでお父さんを認めた。
このままお父さんの言う道を進んで大丈夫だろうか。
私には良い物を作るために意見や意欲、発想がない。
それに繋がる感想もないのだ。
そんな人が編集になるなんてできない。
どうせ会社は顔パスで入る事になる。
"井坂龍一"の娘と言われて注目されるんだ。
