「そうか…
大きな建物は、外の世界には沢山有るから、特定は出来ないな…;」
難しそうな表情をして、答える彼に悪いことを聞いてしまったのかもしれないと、少し罪悪感を覚えた。
彼はいつも、私から外の世界の事を口に出すと話をはぐらかしたり、表情を曇らせる…
なので自分からは滅多に外の世界の話をしないように心掛けていたのだけど…
どうしても夢の事が気になって仕方がなかった…
「リナリー??
これからも何か、似たような夢を見たら教えてくれないか??」
彼が真剣な表情で言うので、私は素直に頷いた。
「リナリー??
外の世界に興味を持つことは悪いことではないが…決してこの森から出ては行けない…
良いね??それだけは約束してくれ…」
彼が出した小指に自信の小指を絡める。
外の世界では、これを指切りと言うのだそうだ。
なんでも、約束を破ってしまうと針を千本飲むしかないらしい。

