眠れる森の歌い姫


「ねぇ??
アルは、外の世界から来たのよね??」

夕食の最中に、ふと思い出したように尋ねてみた。

「そうだよ??
急にどうした??」

スプーンを口に運ぶのを止めて、不思議そうに首を傾げる。

「えっと…
私、外の世界に出たことがないから…
少し気になって;」

彼の顔を伺いながら、そわそわと身を捩らせる。

「何かあった??
いつもは、そんな事聞かないのに;」

彼は、困ったような顔をして、再度スプーンを口に運ぶ。

「さっき…夢を見たの…
どんな夢だったかは覚えていないのだけど、何かとても大事な夢のような気がして…
そこで、見た事もない大きな建物が出てきたから…
アルなら知っているかなぁ??って;」

彼は、一瞬眉間にシワを寄せくわえたスプーンを噛み締める。
何か考え込んでいるように見える。