私は1人になった。 でも唯一あたしに救いの手を差し伸べてくれたのが皐月さん。 お母さんの義理の姉だ。 親戚との間で、誰が引き取るか話し合った時、皆は嫌がっていたのに。 皐月さんだけは、嫌がらずに「私の家で暮らそう」と言ってくれた。 彼女はとても、優しい。 でも、残酷なまでの優しさだ。 皐月さんはあたしを哀れんでいるから。同情だけの愛をくれる。 仕方ないことぐらい、わかっている。 もう、わかっている。 でも、すがりつかずにはいられないから。自分の存在が儚く消えそうで。