【完】また君を愛してしまうから


ピンポーン



チャイムの軽快な音が鳴るのと同時に奏が出てきた。



「お前、早いな!」


「えへへっ。びっくりした?」



奏は「あぁ」といいながら頭を掻いた。


それにしても、今日は寒い。


私って早起きしたことはいいけどやっぱりどこか抜けているみたい。



手袋を持ってくるのを忘れた。


今きっと私の手は驚くほどに冷たい。


「はぁ...。」


自分の手を暖めるように息を吹きかけた。


「お前、手赤くなってんじゃん。やっぱ、抜けてるよな。」


「悪かったね。いいじゃん、早起きしたんだし。」



私は大好きな奏なのについつい可愛くないことばかりいってしまう。