梓SIDE


「ベジ...?」



みんながお祝いしているときステージから見える木の上が気になった。



別に誰がいるわけでもない。



でも、もともとベジの姿は最初から見えなかったし...。



もしかしたら、ベジが来ていたのかもしれない。


「花、奏。私、ちょっと行ってくるね。」


2人が不思議そうに顔を見合わせた。


急いで木の下までたどり着いたとき気持ちのいい風が吹いた。



「ベジ?そこにいるの?」


まだこないだのお礼言えてないから。



姿を見せて...。



でも、ベジの姿は見えなかった。



木の上までいけたらまた違うかも...。