大樹は飛行機に乗って
アメリカに行ってしまった。


後悔はない。


大樹は何か吹っ切れたような顔つきだった。


あの顔を見ただけで私はもう充分だった。


「優香!なんで言わなかったんだよ!!」

「もういいの。
 大樹の顔見れただけで」

「ほんとに良かったのか?
 後悔してないのか?」

「うん。これでよかったの。
 あの時、私が好きだ
 って言ってたら大樹は
 アメリカに行かずに
 日本にとどまるって
 言い出す気がしたの。
 
 大樹の目標を
 私が壊すわけには
 行かないから・・・」

「優香・・・。
 そんなに大樹のこと・・・」

「うん。
 大好きだよ。
 
 でも大樹より
 もっとかっこよくて
 私を守ってくれる人が
 そばにいるから私は
 大樹がいなくても
 生きていけるの」

「それって・・・俺?」

「ばか!違うよ」

「なんだよ~・・・」


ううん。
悠馬だよ。


私を支えてくれたのは悠馬だよ。


でもね・・・



悠馬は私にはもったいなょ。





だから・・・