「大樹・・・。
 ずっと優香ちゃんのコト想ってた。
 私のコトなんか眼中になくて
 優香だけ見てたよ?なんで?
 なんで大樹を手放したの?
 なんで大樹と一緒にいないの?
 私、今まで優香にひどいことばっか
 してきたのになんで私に大樹を?
 優香も薄々は気づいてたはずだよ?」



「うん。気づいてたよ。
 紗枝が私のこととく思ってないことも
 紗枝がわざと大樹のお母さんに私のこと
 悪く言ったりしてるってこと」



「紗枝!?
 お前そんなことしてたのかよ!
 最低だな!!
 俺、見損なったよ・・・」



「でもね。
 私、紗枝の気持ちよくわかるの。
 同情とかじゃないんだよ?
 どーしても好きだから
 無理にでも手に入れようって。
 でも、それっておかしいと思わない?
 相手のことが本当に好きなんだったら
 相手の幸せを願うべきなんじゃないかって。
 
 私、紗枝に嫉妬したこともあったし
 紗枝のこと嫌いになりかけたこともあった。
 けど、大樹のこと考えたら
 紗枝と一緒にいるほうが幸せなんじゃないか
 って思ったの。
 
 だから、事故のあったあの日
 大樹のこと手放した。
 大樹と離れるなんて考えたくなかったけど
 大樹が幸せになるにはこれしか方法がなかったら。
 
 でも、今は後悔してる。
 あの時大樹を手放していなかったら
 大樹が事故に遭わなくて済んだのかもしれないって。
 それ考えたらなんか全部自分の責任に感じて
 私、体調崩して入院したの」


「えっ?」


「紗枝は大樹の看病につきっきり
 だったから知らなかったでしょ?

 ホントバカだよね・・・。
 
 私がいくら考えても
 大樹はもう戻ってこないんだもん。
 大樹と別れたんだから関係ないじゃん
 って、責任逃れしてた。

 でも、大樹が退院して私のところに来て
 『好きだ。より戻そう』って
 言ってくれたときすごい嬉しかったんだ。
 自分から振っておいてなんなんだよ!
 って感じでしょ?
 でも、私はまた大樹を振ったの。

 『嫌いだ。顔も見たくない』って。
 最低だよね・・・。
 ホント、つくづくバカだよ。私は。

 でも、今はそばに悠馬がいてくれてる。

 結構楽しいんだよ?
 デートして手つないだり
 アイス食べたり・・・・・。

 最初は悠馬なんかって思ってたけど
 悠馬優しいからどんどん惚れてっちゃった」



「おい!優香!やめろ!!
 恥ずかしいだろ~!」