「本当にメールくるかなー?」
「さあ。たかがおまじない。されどおまじない」
「なー、それってなんのおまじない?」
ひゃっ、なんて柄にもない声を出してしまう。
だって、だって。
「そんなびっくりすんなよな」
コツンと後ろから叩かれ、いて、頭をおさえた。
ああ、もう。
将司、さっきまであっちで、話してたじゃんか!
私は唇を尖らせた。
「で、どんなおまじないなんですか?」
「携帯のパスワード、5151にすると、好きな人からメールくるんだってさ」
「ふーん、まあ、たかがおまじないだしなー」
もーらい!
「あっ、私の飴っ」
私の机の上のりんご味の飴玉をとって
友達のとこに戻っていってしまった。
「将司のばか」
「嬉しいくせに」
「私、飴好きなの!」
顔が熱くなったのを気にしないふりをしながら
にんまり笑う杏奈から視線をそらし、頬を膨らませた。