通勤、通学ラッシュの駅を抜けて、人々が行き交う十字路を歩く。

しばらくすると、響いていた喧騒が嘘のように静まり、小鳥の声と木々のざわめきが通り過ぎていく。

その先に見える淡い桃色の校舎、そこが“私立・花園学園”、高等部校舎である。

学園と言っても、幼稚舎、高等部、短期大学、4年制大学のみ。
震災や火災で崩れ、以後創られていない。

そんな学園も、創設から100年余りになる。
昔も今も変わらない、乙女達の庭園なのである。