「杏奈〜」
泣きながら抱きついてくる夏帆。
今日は卒業式。
あたしはこういうの泣かないんだよね。
一生会えなくなるわけじゃないし。
「あたしたち、卒業しても親友だよね?」
「当たり前でしょ」
部活をやってないあたしたちは、後輩に見送られることなく校門を出た。
「杏奈、あの人、イケメンの人じゃない!?」
「え?」
校門の少し先につばさがいる。
「彼氏が待ってるんだから、はやく行きなさい」
夏帆があたしの背中を押した。
つばさはあたしたちに気づいてない。
「あたし、彼氏があっちで待ってるから行くね」
夏帆は行ってしまった。
少しずつつばさに近づく。

