「杏奈、アイス食べるか?」
「食べる」
「バニラでいいか?」
「うん」
アイスでも食べて、頭冷やさなきゃ。
「杏奈」
少し顔をあげると、いきなり唇をふさがれた。
「…んっ…」
あたしの口が少し開かれて、中になにか冷たいものが入ってきた。
アイス!?
こ、これって…口移しだよね?
唇が離れても、恥ずかしくてつばさの顔を見れなかった。
「杏奈、アイス。今夕飯作ってるから」
あたしの手の上に置かれたアイスは、一口食べられていた。
さっきの口移しだろう。
思い出すだけでも恥ずかしくなる。
つばさが夕飯を作っている間、テレビを見ながらアイスを食べてた。