こんなときに、名前で呼ばないでよ…。
また涙が溢れるじゃない。
「あたしのこと、嫌いでしょ?」
「何でそうなる?」
「だってあたしと仲良くしたくないんでしょ?」
「あぁ、そうだよ。家族とか友達とか、そんな関係で仲良くしたくないね」
何が言いたいのか、さっぱりわかんない。
つばさくんにあごをつかまれて、つばさくんの顔に向けられた。
台所で立ったままで、つかまれたのはあごだけ。
だから、逃げようと思えばすぐに逃げられた。
だけど、あたしはつばさくんの目からそらすことができなくて…。
「つばさ…くん?」
「つばさって呼べって言ってんだろ」
少し強引なつばさくんにあたしは驚いた。
「家族とか友達はやだけど、恋人としてだったら仲良くしてもいいかなって」
「え?」
つばさくん、何言ってるの?

