「話そらさないでよ。夏帆は元気だよ」
「そっか」
「夏帆のことは名前で呼ぶのに、あたしはお前なんだね。ていうか、あたしの名前なんか知らないよね。1回しか言ってないんだから」
「覚えてるよ。…杏奈…」
涙がもっと溢れる。
覚えててくれて、すごく嬉しかった。
「覚えてたのに、どうして名前で呼んでくれないの?」
「それは…照れくさいから…」
照れくさい?
あたしを名前で呼ぶことが、なんで照れくさいのよ…。
「つばさくんは、あたしをなんだと思ってるのよ」
「そっちこそ、何でつばさくん?つばさでいいよ」
「でも、その名前嫌いなんでしょ?これからは、あんたとか、そういう風に呼んだ方がいいでしょ?」
「杏奈ならいいよ」

