ゴホッゴホッ・・・・・・

「はぁ・・・・・・体育とかひまだな」


 あたし野田明歩
あることがなければフツーの高校生
  
「野田、また見学か? でもまぁお前は仕方
 ないよな・・・・・・」

「あっはい・・・・・・」


 体育の先生。今ではあたしの一番の理解
者かもしれない。


「なんであたしなんだろ・・・・・・」

フゥーとため息をついていたあたしに

「なぁ名前なんて言うの? なんでお前いっ
 つも見学なんだよ」

喋りかけてきたのは校内一のイケメン、佑樹
君。ってかこの人と喋るの初めてかも・・・・・・

「あたし!? あたしは明歩だよ。野田明歩
 ・・・・・・あたしね、病気なの・・・・・・
 脳梗塞って知ってる? 脳に栄養がいかな
 くなってひどくなると・・・・・・死んじゃうん
 だ。その病気の前兆みたいなのがあた
 しの脳の中にできてるんだって。
 佑樹君は?」

そう、あたしは病気なんだ・・・・・・
今までこの病気のせいでしたかったこともほ
とんどできなかった。

「へぇ明歩っていうんだ。んじゃこれから
 明歩って呼ぶわ。
 病気か・・・・・・俺? 俺はただ体育が
 めんどいだけ」

そう言って佑樹君は笑った。
佑樹君って笑うと意外と可愛いんだ・・・・・・

「あはは、そーなんだ。確かにめんどいよね」

あたし何思ってんの?
初対面の人に可愛いとか・・・・・・
でも佑樹君は確かにかっこいい。けど・・・・・・

「分かる? すっげぇめんどい。でもさ明歩
 体育本当はしたいんじゃないの?」

「えっ?」

「だってずっと見学してるんだろ?それに・・・・
 ・・明歩いっつも体育したそうに眺めてたし」

ドキ・・・・・・
佑樹君・・・・・・あたしのこと見て・・・・・・
そんな訳ないよね。たまたま見ただけ・・・・・・
ってなんであたしこんなに・・・・・・ドキドキし
てんの!?

「うん・・・・・・本当はしたいかな。あたしずっと
 体育できなかったからさ」

「じゃあ俺が明歩の病気治してやるよ」

治す・・・・・・って

「どうやって?」

「・・・・・・分かんない(笑) でも体育でひまな
 時、俺が明歩の話し相手になってやる」

ドクン、ドクン・・・・・・
何? この気持ち・・・・・・
まさかあたし好きに・・・・・・

「分かんないんだ(笑) でもありがと。佑樹君
 のおかげで体育好きになれそう」

「俺のこと呼び捨てでいいって! 俺なんかも
 う明歩って呼んじゃってるし(笑)