今日、わたしとアイは、わたしの部屋で借りてきたDVDを見ていた。


それがちょうど見終わったのが、今からだいたい30分前の時間。


恋愛モノの映画を見終わり、わたしたちは二人でいわゆる”女子トーク”をしていた。


映画に出ていた俳優さんの話とか、クラスで誰が一番かっこよかったかとか、そんな話。


そんな他愛ない会話で盛り上がっていたとき、突然アイが言い出した。


「ねぇ、カンナって好きな人いないの?」


「へっ!?何いきなりー」



「だって……カンナの恋バナって聞いたことないんだもん。
いーっつも私ばっかでさぁ。」



……たしかに。

アイは中学のときから付き合ってる彼氏がいるし、モテるから…いつもわたしがアイの相談に乗っているけど、わたしからアイに相談したことは1回もない。


「だって……好きな人、いないんだもん。」



厳密に言うと、この人いいなって思ったり、好きかも?とか思ったことならある。
けど、いつのまにかその気持ちが薄れて、恋じゃないなって確信して、アイに相談に乗ってもらうほどじゃなくなるのだ。