わたし、夏目栞那(ナツメ カンナ)。
今日から高二の16歳。

……といっても、新学期が始まった訳でもなく、事実上…高校二年生なだけだ。


つまり、今日は4月1日…エイプリルフール。



世間一般では、エイプリルフールに嘘をつくのは構わない……はず。


だったら。


………この状況は、なんだろうか。




ケータイの画面には、「いいよ。」というそっけない感じの文字と、「from:伊崎蓮(イサキ レン)」という送り主の名前。



「……くくっ…カンナ、よかったね」



そう言いながら、わたしの隣で笑いを抑えているのは、わたしの親友であるアイ。




「……アイぃ……」



アイとは対照的に、わたしは涙目になっている。


なんでこんなにも感情に差がある女子高生二人が、わたしの部屋でケータイを見ているのかというと……



30分くらい前にさかのぼる。