嘘つきなアイツ~テキトー王子の甘い罠



「啓介、タオルここに置いとくねー。」


皆が中村先輩に夢中な中、私はそんな声にビクンッと反応した。

その声の方に顔を向けると、安藤啓介に笑いかける島田春風の姿が目に入って来た。


「ん。ありがと、春風。」



春、風…かぁ…。

安藤くんの発したその言葉に胸がざわつく。


呼び捨てで呼んでもらえる島田さんと、名前すら知られてないであろう私。