【短】指輪物語















私はあなたが忘れていった

その指輪をバッグの中にしまった。



その指輪を取りに来るために

私に会いに来てくれるかもしれない。



…そう願いながら。



あなたはいつだって

ホテルを出る時は

私よりも先だった。



いつも決まってシャワーを

浴びて…跡形もなく

ホテルを出ていく。



私を残して…



あなたがシャワーを浴びるのは

私の香水の香りを

消すためだって私は知ってる。



私はあなたのほんの少しの

残り香さえ大切にしてるのにね。