【短】指輪物語














煙草を灰皿に押し付けると

あなたはネクタイを緩め

薬指に光る結婚指輪を

枕元の机に無防備に置く。



そして、私とあなたは

絡み合いながらベッドへと

堕ちていく……



深く深く堕ちていく…



あなたに愛がなくても

あなたには帰る場所があっても

あなたが私を求めるなら

私は答え続ける。



「んっ…愛してる」


「俺も…愛してる」



そんな言葉、嘘だって

分かってるのに

私は馬鹿な女だから

あなたの言葉を信じたくなる。



私の愛にあなたも

答えてくれている様な…

そんな錯覚に陥る。



そうして私はあなたと

深い所まで堕ちていく。