【短】指輪物語













「今日もいつものホテルで」


たった一言のメールしか

あなたはくれないけど

私はそんな一言でも嬉しい。



あなたとの待ち合わせは

決まって、いつものホテルか

あなたの車の中。



奥さんや会社の人にでも

見られたら大変だから。



人目のつかない場所で

いつも待ち合わせて…

私はほんのひと時だけ

あなたの1番になれるの。



あなたが私を求めてくれるなら

場所なんて何処でも構わない。



あなたを1番近くで

感じられるなら…何処でも。



いつものホテルの部屋の鍵を

握りしめながら…

私はあなたに会える幸せを

噛み締める。



鍵に書かれた「888」

いつもの部屋番号が

私には特別な数字だった。