あなたを失ってから

数ヶ月が経った頃。



暗い夜の街を

蝶になった姿で

私はふらふらと歩いた。



私が蝶になるのは

これで最後にしよう…

そう決めた。



あなたを忘れるために

蝶になったのに…



私はあなたと出会ってしまった。



いつもあなたと待ち合わせた

あのホテルの前で。



「優愛(ユア)…ごめん」



私の名前を呼びながら

あなたは私を抱きしめた。



強く強く…



初めて私の名前を呼ぶ

低くて優しいあなたの声が

私は愛しくて…


またあなたを愛する気持ちが

溢れてしまいそうになった。