【短】指輪物語















「ごめん…大丈夫だから」


私は必死に涙を止めようと

目を擦っていた。



その時…私の左手から

指輪がこぼれ落ちた。



「あ、これ…」



あなたはそれを拾って

小さく掠れた声で呟いた。



私の左手にはくっきりと赤く

指輪を握りしめた跡が

残っていた。



「昨日…忘れていったでしょ?」



よかったね…

やっと気づいて貰えて。



私もこの指輪みたいに

早くあなたに気づいてほしい。



本当は大丈夫じゃないってこと…