【短】指輪物語
















「今日も会えるか?」


次の日、あなたから

届いたメールはいつもと

少しだけ違っていた。



今日はいつものホテルじゃなくて

××駅で待ち合わせだった。



久しぶりにあなたが

車で迎えに来てくれる。



それだけで私は

すごくすごく嬉しかった。



私はまた蝶の姿になって

あなたとの待ち合わせ場所で

待っていると

あなたの真っ黒の車が

私の目の前に止まった。



あなたは助手席のドアを

開けて…私の手をとり

丁寧に私を助手席に座らせた。



久しぶりに座る

あなたの車の助手席は

とても心地よかった。



いつものあなたの煙草の香りを

1番近くに感じた。



ハンドルを握る

あなたの薬指には

もちろん…指輪がなかった。