気配もなく、声がしたので悲鳴のようなものをあげたうえ。

 ガンッ!



「っ・・・たぁー・・・い」



 隙間の上に飛び出ていた机の端に頭をぶつけてしまうという事になってしまった。



「っは、どじっこ?」



 軽く笑う、その声が男の子のものであると分かった。

 私は、ぶつけた部分をさすり、ムスッとしながら、その声の主の姿を見上げ た。



「頭を打ったのは元はといえば、君の・・・あ」

「何だ、やっぱり白石じゃん」

「徳沢・・・」



 変な間が空いて、変な空気が流れた。


 6月。

 梅雨独特の湿気と、熱が、私の中に何かを運んできた。






 ――08/02/11→08/02/27