「んー!もう少しなのに…」



 この隙間と格闘を始めて、10分。

 こんな隙間、ありえない。


 ものさしだって使ったのに。



「うぬぬー! …はぁ、やっぱり届かない」



 下校時間もとうに過ぎている、が先生といわず警備のおじさんまでが見回りに来ない。

 いつもなら見回りしているはず、なのに。



「警備員さんに頼もうと思ってたのになぁ…」



ため息をつきながら、もう一度その隙間に目をやった。



「何を?」

「ひぃっ!」