軽目のキスが、ひとつ。

 彼の唇に落ちた。


 驚きを隠せない様子で彼は目を瞬かせる。

 ゆっくりと、彼女は微笑みながら彼から離れた。

 彼の身体を、軽く、後ろに押して。

 彼の手から、拳銃をするりと奪い取りながら。



「あ、」

「これは、僕が貰っておくよ?
 キミには、扱いきれないでしょう?」



 いつもの優しい声。

 言葉。
 微笑み。