「つまーんなーぁい」
「・・・」
「うーあーえーうー」
「・・・・・・」


 彼女はかれこれ二時間、お気に入りのクッションを抱えてゴロゴロと床に寝転がっている。
 彼の方はというと、ソファーに一人で座りながら彼女の様子をまるで観察でもしているようにみていた。


 何を起こす気もなく。


 何かが起きる事を、ずっと、待った。
 彼女が動いてくれるのを、ただ、待っていた。