「・・・ああ」


 彼は小さく答えを返す。


 さっきとは違って、今度は彼女が揺れてしまわないように。

 大きなその手が、彼女の肩を、そっと自分の方へと抱き寄せながら。



「ありが、とう・・・」




 サヨウナラは言わない。


 だって。
 私は。


 貴方に会いに来るから。





(これからもずっと、好き)
 ――07/11/14