「なっ、お前…最後のは関係ねぇだろ。それに、俺が泣いたらお前笑うじゃん」
「ムキー!! なんで逆切れなわけっ!?」


 意味のない、こんな会話さえも。
 大切に思えてしまうのに。

 それを無駄にするのが上手なお姫様。


「っせぇ! お前うっせー!!」
「なー!? さっきからお前お前って! 私には“しおり”って名前がちゃんとあるんですけどー!!」


 彼女の、勢いに身を任せた。