呟いた途端、大介はボクの頭を撫でていた手をそっと引っ込め、目を反らした。




「・・・悪い。幾ら相手がオマエでもその世界に足を踏み入れる勇気はちょっと・・・。」




教室の一角で固まっていた腐女子ちゃん集団から

『きゃあ♪攻め受けっ』
『ヘタレ攻め!』

と卒倒モノのはしゃぎ声が・・・。



・・・・。




「も~、誰が大介にちゅーしたいなんて言ったよぉ。」



ぶーっっと口を尖らせるボク。



「ほー・・・また例のアンコちゃんか。」

「そう。また例のあずきチャンね。」





もう大介はずっとアンコちゃんと呼べばいいさ。


これは彼なりの親愛のあだ名なのだ。うん。






「で、今度は一体何をやらかしたんだ。オマエは。」




「何でやらかしたの前提になるの。ヒドイ・・・」