暫く、宇宙人と遭遇したヒト、みたいな顔で愕然と立ち尽くしていた先輩は、突如、店内に駆け込んできて・・・
叫んだ。
「あずきチャンくださいっ!!!!」
・・・・・・はい?
先輩の叫び声にぽかんとする私とお父さん。
駆け込んできた先輩に続いて入ってきたのは・・・・
確か、二年の沢渡先輩。
二人は幼馴染らしく校内でもよく一緒にいる。
その沢渡先輩も現状が把握デキナイようで、無言で立ち尽くした。
このトンチンカンな空気の中、お父さんが動き出した。
さすが年の功。
無言で私のトコロまで来て焼き上がったタイヤキを一つ、
ぽん。
意気込んでいる先輩に渡した。


