schoolシリーズ【短】(弓道部)×(茶道部)編


悠ちゃんは私のイトコで、三年生。


家も結構近くて、小さい頃はよく遊んでもらった。


頭もよくて、優しくて、頼りになる私のお兄ちゃん的存在なんだ。




「部活では『先輩』だろ?もしくは『部長』。」

「部活って言ったって、自主練じゃん。」


「うん。冗談。あずきはいつまでも『悠ちゃん』でイイよ。」




クスクス笑って私の頭を撫でる。



むぅ~、いつまでもコドモ扱いなんだからぁ。







「で?なんか悩み事?矢の乱れは心の乱れ、・・・ってね?」




悠ちゃんがヒトの機微に鋭いのは昔から。





「別に・・・悩み、じゃ・・・ない、けど。」




あぅ~・・・私が嘘が吐けない性格なのも昔から。







だけど優しい悠ちゃんは土足で人の心の中へズカズカ入ってくるような無神経な人じゃない。





「そ?」と笑顔を傾けるだけして、それ以上突っ込んでは来なかった。