schoolシリーズ【短】(弓道部)×(茶道部)編


その楽しげな輪の中で、先輩が不意に顔を上げて、ぱぁっと笑顔を浮かべた。



「わぁ~い。あずきチャン、約束通りカップケーキもってきてくれたんだぁ~。」





・・・なんなの、それ。

なによ、それ。




輪を抜け出し、浮かれた足取りで近づいてくる先輩に、私は勢いよく身を翻した。



「あれ?それボクにくれるんじゃないの?」



無言でずんずん進む私を伺うように先輩が付いてくる。




「ねー、あずきちゃんってば。どーかしたの?」




悪びれないその態度に、言葉に、プチッと私の何かがキレた。








「・・・じゃん・・・」


「え?なぁに?」





「私のなんて、貰わなくたっていいじゃん!!先輩にはくれるヒト一杯いるんだからっ、



私のなんかなくったってイイでしょ!!」




叫んだら、鼻の奥がツンとして・・・


私は逃げるようにその場から走り去った。